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矯正治療と年齢について
2024.11.02
矯正治療は年齢がいくつであっても治療を受けることが出来ます。
高齢の場合の注意事項は、若い方に比べ治療期間が長くなることが予測されます。
また歯周病を発症している場合、矯正治療中に歯周病が急発する場合がありますので、口腔ケアが必須になります。
矯正治療で噛み合わせを整える事で、口腔ケアが容易になり、噛み合わせのアンバランスから来る外傷も避けれるので自分の歯の寿命を伸ばす事に貢献出来ます。
矯正治療が成人以降でも可能であることや年齢による影響についてのエビデンスは、多くの歯科矯正学の研究や日本矯正歯科学会のガイドラインで確認されていますので下記をご参照下さい。
1. 成人矯正治療の有効性に関する研究
American Association of Orthodontists (AAO) によると、成人矯正治療の需要は年々増加しており、効果的な治療が可能であるとされています。成人の歯や骨の状態に合わせた矯正方法も進化しており、年齢による制限が少ないと報告されています。
研究例として、近年の矯正治療は歯の移動が年齢にかかわらず実現可能であるとされていますが、成長期に比べて骨の反応がやや鈍化するため、治療期間がやや長くなることがあります(Papadopoulos MA, “Orthodontic Treatment for the Adult Patient,” Orthodontics & Craniofacial Research, 2020)。
2. 口腔内健康と矯正治療
成人の矯正治療が歯周病などのリスクに影響する可能性についても研究が行われています。特に、矯正治療によって歯の清掃がしやすくなり、口腔内の健康が改善される場合も多いです(Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. Elsevier, 2018)。
歯周病や骨密度が治療に与える影響も検討されており、成人矯正は事前に口腔内の健康管理が必要とされています(Melsen B, “Adult Orthodontics,” American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 2000)。
3. ガイドラインと推奨事項
日本矯正歯科学会 も、成人矯正の推奨を行っており、治療は患者の年齢にかかわらず可能であるとしています。また、見た目だけでなく噛み合わせや全体的な口腔の健康状態が重要視されています。
矯正治療に関する基準では、成人患者にも効果的であることが示されていますが、年齢が進むにつれて治療計画が慎重に行われることが求められます(厚生労働省「歯科医療ガイドライン」)。
以上のように、成人以降でも矯正治療が可能であることについて、国内外の研究や学会のガイドラインでサポートされています。